秋葉原ラボにて
震災から40日ハードディスクの開封作業などをメインに秋葉原で復旧を行いつつ研究を行っている。
仙台営業所では、PCBの洗浄をメインとした作業場を開設した訳だが そこで復旧ができない8割~9割の水没物理障害の対応に秋葉原は追われている。
仙台営業所に届いたハードディスク
急遽作られた秋葉原のラボでのラインについてここで説明をしていく。
PCBなどのチップ処理
はんだごてや、スポットヒーターを利用した電子回路部分の調査・修理
クリーニング工程
プラッタまで浸水されていないハードディスクのヘッドやスピンドルモータのクリーニング(クリーンブース内での作業)プラッタまでのクリーニング工程。
クローンを行うライン(PC-3000 と MASAMUNE Clone)
(写真は仙台営業所)
洗浄を行ったハードディスクのクローン作業
SAS、SCSIのSCAや68pin などをSATAのハードディスクにクローンをする
RAID解析用のライン
写真は300GB 14本 RAID5のイメージを作っているところ。16TBのアレイを作り解析を行っている。
杉山さんと私がメインとしているライン。クローンやイメージ作成後、複数台でつながれたハードディスクからRAID Arrayを構築し論理解析などを行いサーバ系のデータを復旧する。
上記の工程を秋葉原では行っている。
その中ですべてにおいて障壁となっているのが保有パーツである。
秋葉原に届いている重度な水没物理ハードディスク。仕分けが行われパーツを待っている為、処置待ちのディスクも存在している。
浸水による影響
長期間浸水しているハードディスクについては以下の障害が多く見つかっている
- PCBの海水腐食によるチップ破損
- カルシウムやマグネシウムなどにより、固形化された金属によってモータ、ヘッドが固着
- ヘッド先端の海水腐食
私たちデータ復旧業界についての一番の悩みが交換用ハードディスクの プラッタを読み込む為のヘッド、PCB などのパーツである。
同メーカーはもちろんの事、同モデルのみ合わせれば良いと言う訳ではない。
生産国や生産時期。PCBやファームウェアのバージョンなどの細部の交換条件の元、障害ディスクに対して処置を行う。
この処置を行う為のパーツをドナーパーツと呼ぶ。
ヘッド交換とは?
ヘッドの交換作業は1回に終わらない場合もあり、時にはヘッドを数回壊してまでしてクローンを取る。
データ復旧料金の物理障害が高い理由の一つが、このドナーハードディスクの入手の難易さでもあると言える。
そんな折、仙台のRDVシステムズの松本社長のおかげで大量のドナーパーツが届いた。
これらはすべてパーツを交換する際に必要な物。
このパーツなしでは復旧を断念せざる得ないのが実情なのだ。
被災地の方のデータを復旧させる為にもパーツを無数に必要とするのが現状。
今も秋葉原にある水没ハードディスクは当社で通常 パーツが見つからず復旧不可 としてご返却をしている物が多い。
私含め、全員 被災地の方に貢献したいと思う気持ちもあり、被災地の方にご無理を言って長期お預かりをしているのも現状。
最後に
もしこのホームページを見てらっしゃる方、中古パソコン会社様、データ消去会社様、保守会社様 ドナー用パーツをお譲りいただきたく思っております。
被災地へ貢献をすべく、このドナーパーツを格安でお譲りいただける会社を探しています。
データ消去などの機密情報については、私が責任もって消去を行い ドナーパーツを管理して行こうと思ってます。
よろしくお願いいたします。