HDDの障害区分:物理障害とは何でしょうか?
「日本データ復旧協会」のサイトでは、以下のように説明しています。
=====引用開始=====
物理障害(ぶつりしょうがい)
メディアが電気的、機械的に故障している場合のことです。システムが認識しない場合、異音が発生したり、ファイルへのアクセスが異常に遅かったり出来ない場合等を指します。
この場合、データリカバリを行うためには、破損している部分を修復したり、特殊な設備を使用しなければなりませんので、時間も掛かってしまいます。
=====引用終わり=====
ここで、指摘する必要があるのですが、「データリカバリを行うためには、破損している部分を修復したり、特殊な設備を使用しなければなりませんので、時間も掛かってしまいます。」は、一般的には正しいのですが、当然例外事例が存在します。
この説明では、物理障害が発生した場合、「データリカバリソフトでのデータの回収は不可能」と理解されますが、実際には「データリカバリソフトでデータが回収可能な場合もある」のです。
厳密に言えば、1箇所でもリードエラー(バッドセクター)などが有って、何らかの障害が認められる場合は、「物理障害」になります。
しかし、例えば、1箇所でもリードエラー(バッドセクター)などが有っても、OSや特定のアプリケーションソフトが起動できない場合でも、「必要なデータはコピーで取り出すことが出来ることが有る」のは当たり前です。
PCにインストールしてあるOSが起動できなくても、KNOPPIXやUbuntuのようなCD起動可能なLinuxなどのOSを利用したり、他のPCにUSB接続などの方法で外付けしたり、「データリカバリソフト」を使ったりすれば、データリカバリできる場合があることが知られています。
このように、必ずしも「物理障害=ソフトウェアでデータリカバリ不能」ではないのです。
このような実例があるために、データリカバリ業者の判定・処理の順序によっては、特にソフトウェアで対応可能な、程度が軽い障害ほど、業者によって判定が「論理障害」であったり「物理障害」であったりまちまちな判定結果が出やすいといえます。
データリカバリを依頼する側から言えば、データリカバリ費用が安いほど嬉しいわけですが、その処理(判定方法)によっては、症状を悪化させて、場合によってはデータリカバリが不可能になってしまう可能性も存在するので、データの重要度によって業者を選ぶようなことを考える必要があるかも知れません。
物理障害について、明解に一言で言うのであれば、
HDDの物理障害とは、「HDD本体に原因の有る全ての障害」となり、システム(BIOSを含む)が認識する、しないといった、「症状だけで判断することは出来ないもの」と認識する必要があります。