そんな訳で?前回の続き。今回は自分の言葉で日記形式に書いていこうと思う。
ついでに日本では初めて僕たち業界の技術について暴露をする。同業の方に迷惑をかけるつもりはないが、技術公開する=良いデータ復旧業界 を作り上げられると思いこのページを執筆する事にする。
まずは第一声 日本のデータ復旧業界は閉鎖的な業界 である。
前回 クローンについてどれだけ技術力が必要かと言う事をお伝えしたが、私の尊敬するオントラックについて少し書いて行こうと思う。
ちなみにオントラック社の回し者でもないし、こんな駄文に対して 記事広告の費用などももらっていない。率直にいち技術者として目指すところがオントラックにある事を皆さんにお伝えしていく為だ。
尊敬をするオントラック社
8年前の話、データ復旧を始めて2年くらいして、うちの片田舎の仙台にとあるお茶の水博士(爆)の様な人がきた。
(沼田さん 見ていらっしゃったら すいませんm(__)m)
元オントラック事業部部長の沼田さんだった。
転載:Exchangeのバックアップファイルからメールを検索・回収できる「PowerControls」
今では「日本全国データ復旧業界巡業ツアー」と私が勝手に命名してるものなのだが、沼田さんが全国のデータ復旧会社(その頃も閉鎖的な業界)とコンタクトしていくプロモーション。
内容は「オントラック社の認知度を広めると共に、ビジネスパートナーとして情報共有をしていかないか?」との話だった。
その頃はうちの小さな会社は論理障害のみ対応していて、ヘッドクラッシュなどの物理障害については対応をしていなかった。
自分もデータ復旧会社として看板を出していたが、とてもオントラック社の足元には及ばず、恥ずかしく沼田さんに顔も出せなかったし手の内を話すことにためらいがあった(←冒頭で話をしていたが、日本のリカバリ業者の典型的なところ)。
だが、その数年後青山に進出した時、その沼田さんと改めて話す機会があった。
オントラック社の強みのひとつは、海外拠点から吸い上げられる情報を元に社内独自でプログラミングされたオントラックツールと言うものが存在しているという事。
実際にKroll Ontrack社のページを今でもググって見ると、DOSベース系(CUI系)のプログラムがディスプレイに表示されているのが分かる。自分達もさまざまなリカバリツールを見てきたが見たこともないツール。
世界のデータ復旧受付・窓口の末端からの要望にオントラック社はツールを独自開発しているのだ。
それを市販向けに論理障害を限定としたデータ復旧ソフトが Ontrack Easy Recovery だと思う。
沼田さんと出会う少し前に自分も世界のリカバリーツールに目を向けるようになっていたし、今もその世界市場に目を向ける様になった沼田さんには本当に感謝している。
世界のリカバリツール
日本でもちらほら名前が出てき始めているが、ロシアAcelab社のPC-3000 や、ウクライナ生まれのAtola Insight、中国成都生まれのData Compass。
前述したAcelab社のPC-3000についてはうちの会社も早期導入をしていた。
ロシアから購入するのにためらい(税関やらなんやら)、米国eBayのオークション で中古販売されているPC-3000を手に入れた。
PC-3000はファームウェアの修復、ディスクコピーを行うツールをセットにしたハードウェア。Windows上でディスクを仮想デバイスとして扱い、そこで修復作業をしていくツール。
値段は、数十万円から日本で手に入れようと思えば100万円を越えるツール。
買えばそれで誰でも使えるかというと、そんなに甘くはない。
専門用語の羅列であり、メーカーやモデルごとにそれぞれのモジュールなどについての知識も必要。日本語化もされていない状態だったし、日本で手に入れている企業は数少なかった。
基本操作はすべて英語で、リカバリをする為に独自のコマンドラインなども使っていく。
はっきり言って、日本語(英語)だけの技術者じゃどうしようもないツール。
リトルドラゴンとの出会い
Acelab社と取引を始めた頃、Aceの窓口カタリーナさんに怒られたことがある。
eBayから買った後、なぜかファームウェアがアップデートされないので 新品のPC-3000をもう1台購入後、そのアップデートされないeBayのPC-3000について話をしたら、その「PC-3000はもう使うな!!!この話をAceの社長にすれば御社との付き合いができなくなる!」と怒られてしまった。なぜかと言うと、「中国の海賊版のPC-3000だったらしい。」おそるべし 中国3000年の歴史。。
その頃のPC-3000はロシア、ウクライナ語でフォーラムが立ち上がり 何やらすごい事をやっている様なイメージあった。
私もそれなりに英語の技術資料は読めるつもりだが、さすがにロシア、ウクライナまでの文字は読めない。
中国で海賊版が出ていると話を聞き、隣国の中国からリカバリ技術を取り入れようとうちに中国語を読めて話せるスタッフを入れた。
現在もデータサルベージ社内にいる、愛称 「リトルドラゴン」 だ!
彼はもともとリカバリ経験者などあった訳ではない。当社に入ってきて、社長からの第一声が、中国のBaidu などの検索エンジンからフォーラムを探し出し、PC-3000を使いこなせる人間になれ!という途方もない使命。
彼はそれをやり通した。日本でも米国でも中国でもメジャーでないツールのプロフェッショナルになれと言うのだから彼は本当に大変だったと思う。
中国のリカバリ業者とも強いコンタクトをつなげる事もできた。
そもそも中国と言うと、良いイメージがその頃からもなかったのを覚えているが、その頃 手を差し伸べてくれた中国の企業には本当に感謝している。
そして、今 当社の大きな課題が今までのデータを元に集約した当社オリジナルのデータサルベージツールの開発である。