その名は明情報技術
今年 縁があり 憧れだった 韓国の明情報技術に行ってきた。
明情報技術は韓国で最大手とされるデータ復旧会社。内部の研究所を快く見学させていただいたが、韓国大手どころか、アジア最大のデータリカバリ会社と思っても良い会社だった。
互いの国のデータリカバリ事情を話し、快く思っていただいた リー社長があるスライドを見せてくれた。
水没したハードディスク
その写真はとあるHGST製ハードディスクの復旧をしている写真だった。
「海中に沈んでしまったハードディスクなんだ。」
と リー社長。
何枚ものデジタルカメラの写真をスライド形式で見せてくれる。
そのハードディスクは 昨年問題になった韓国 哨戒艦沈没のハードディスクだった。
長時間 海水に沈んでしまったハードディスクのプラッタには、海水の塩分が付着しそれが乾燥された状態で明情報技術に届いたそうだ。それを溶剤で除去をしていく。除去の工程は1回ではなく数回に渡り様々な溶剤を適用していく。
プラッタを分離し 超音波洗浄機に入れ、都度写真を撮影。写真を撮影し日付と被写体を残すよう韓国政府からの要望だったそうだ。
いち技術者として見ると、国家を揺るがした北国との話だけに リカバリ作業は慎重を極めてると思った。
結果洗浄したプラッタを同型のハードディスクに移植し、無事にデータを復旧することができたとの事。
データの内容は沈没前の動画データ。このハードディスク内にあるデータのおかげで事故の原因を調べることができたのだと思う。
リー社長にストレートに聞いてみた。
「いくらで対応したのですか?」
リー社長が笑いながら言った。
「通常のお客様と同じ金額を政府に請求させていただいた。」
「政府があまりにもその金額に驚き食事会に招待してくれた。」
「私は国の為に尽くしたまでだ。」
日本でデータ復旧を志している自分が小さく思えた瞬間だった。