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実は確立されていない津波による水没ディスクのデータ復旧

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津波による水没ディスクのデータ復旧

眠れないから、もう一つ記事を。

海外の文献をあさりながら東北大学のとある研究所(実は。。の話)に入り浸り研究をしていた震災後2週間。

すごいぶっちゃけるが、

津波で起きたハードディスクに対して復旧方法が確立されていないのが事実

ここで言う 確立と言う言葉は、復旧率をそれなりに高めた満足の行くリカバリ方法の事である。

(プラッタにちょこちょこ付着している海水ではなく、ここで定義している浸水はどっぷりと海水、汚泥に使ったハードディスクの復旧方法についてである。)

当社だけではなく、世界的なリカバリ技術に見てもスマトラ島沖地震以来の津波である。

海外ではサイクロンなどの被害によって浸水したハードディスクの復旧が行われているなどの話もあるが、すべてはハードディスクの浸水率がモノを言う。

確立されていない理由の一つは、年々増加するハードディスクの記録密度やハードディスクの構造に浸水を想定としたリカバリ技術が追いついていないからだと思う。

なぜ困難なのか?

海水は塩分(塩化ナトリウム)をメインとした除去方法が確立されている。

海水の中には酸素分が含まれている為、長時間海水に浸水していると酸化も起こす。

当社の浸水ケースだと、お茶をこぼした、ジュースをこぼした、海に落っことしたなどの水溶性ケースが多い。

しかし今回の津波では汚泥(さまざまな金属元素 マグネシウム、カリウムなど)+油分。

水溶性溶剤などの除去では付着し、固形化された金属は落とすことができない。

という事は???

これが課題なのである。

課題の解決

東北大学の応用化学の教授に教えてもらった方法は、中性系の溶剤を4工程に分ける方法。

ちなみに私の前職だった三井化学の先輩にも聞いて見たところ、同じ回答が出てきた。

あとは上記中性系では落とせない溶剤を使い金属を落としていく方法。

そしてこの溶剤・試薬の値段が高い。。

並びに純度を高めた純水系も必要。

中性で落とせない為、アルカリ、酸系の溶剤を使う=プラッタ表面の磁気を飛ばしてしまう可能性もある

秋葉原で研究を続けている理由は、今まで確立されなかった 汚泥を含む海水 浸水したハードディスクからのデータ復旧なのである。

昨日 良い研究結果が出たのでこれからを楽しみにしている。

そんな中とある東京での一枚。

東日本大震災によるデータ復旧は、

電子工学+情報工学+応用化学

上記なくして今回の津波の完璧なデータ復旧はできないのである。

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